デッサンに必要な道具

デッサンというと、一般的には木炭や鉛筆を用いた、黒一色で表現された物を指します。本来、デッサンの意味はもう少し広範囲なのですが、初心者の方向けにここでは木炭デッサンと鉛筆デッサンの道具について紹介していきます。
 まずは木炭デッサンです。木炭デッサンですから、必ず必要になるのが木炭ですね。これは木炭の材料となる木材によって、固さ・濃さが異なってきます。はじめて購入するのであれば、柔らかめの木炭を選んだほうが使いやすいと思います。ヤナギを材料にした木炭が値段も手頃でおススメ。慣れてきたら、いくつか種類をそろえていけばいいでしょう。次に必要なのは、紙。木炭デッサン用の木炭紙を使うのが一般的ですが、意外と高価。練習用なら、木炭紙判のエスキースブックなどを使いましょう。それから消しゴム。練り消しゴムが便利ですが、食パンでももちろんかまいません。通常のプラスチック消しゴムは紙を痛めますし、消しカスがでますので、部分的に使うケースを除いてはおススメしません。そして、デッサンは視線を固定させて観察するのが基本になりますから、イーゼルもぜひ用意しておきたいものに入ります。その他、最初はなくてもかまわないけれど、あると便利なもの紹介します。カルトンがあれば木炭紙の下敷きと、持ち運び用のケースとして使えます。フィキサチーフは、木炭を紙に定着させるためのものです。木炭はちょっと擦っただけでも落ちてしまいますから、作品を取っておきたい場合には必要です。また、木炭には通常「芯」があります。この芯の部分は、周囲の部分とは描き心地がことなるため、通常は芯を抜いて使います。そのための道具が芯抜きです。木炭そのものが細い場合や木炭が曲がっている場合は芯を抜くことが難しいですし、芯抜きではなく針金などで代用することもできます。擦筆やガーゼなどを使って、木炭をぼかしたり、落としたりといった手法もありますし、構図を決める際に使う透視枠などもあります。このあたりは必須ではありませんので、徐々にそろえていくといいでしょう。
 次に鉛筆デッサンで使われる道具です。もちろん、最初に必要なのは鉛筆です。木炭とは違い、手軽に入手できますが、固さの違う物をそろえたい場合は、画材屋さんのほうが種類も豊富ですし、鉛筆デッサン用の物も販売されています。柔らかい鉛筆を選ぶのが基本ですが、固めの鉛筆もあると便利ですし、好んで使う人もいます。3B・4B5Bを揃え、後は好みでその前後の鉛筆をそろえて行くのがいいと思います。鉛筆デッサンは、木炭デッサンとは異なり、自由に好みの紙を選ぶことが出来ます。木炭紙のように目の粗い紙でも良いですし、逆に表面のなめらかなケント紙なども好まれます。そして入手しやすい画用紙なども良く利用されていますので、スケッチブックや水彩紙などを利用してもかまいません。消しゴムは、プラスチック消しゴムと練り消しゴムの両方を揃えたほうがいいでしょう。それから、鉛筆を削る必要が出てきますから、鉛筆削りかカッターナイフも必要ですね。カッターナイフですと、鉛筆削りよりも長く、折れにくく芯先を出すことができますし、芯先を尖らせたい時に便利ですから、通常は鉛筆削りではなく、カッターナイフを使います。その他は、木炭デッサンとほとんど同じなのですが、芯抜きは不要、フィキサチーフもよほど柔らかい鉛筆を使うわけでなければ、必須ではありません。
 実際にシャープペンシルで、大学ノートに絵を描いたのではデッサン力が上がらない、というわけではありませんが、じっくりとデッサンに取り組むために、形から入るというのも悪くはありませんよ。

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