ノルマとデッサン力
デッサン力をあげるためにも、もっとも重要と言って過言ではない方法のひとつが「ひたすら描き続けること」です。これはデッサン力に優れた多くの人が口をそろえて言うことなのですが、実際にそれを実行せずに、デッサン力が上がらないと嘆いている人も意外といるのです。もちろん時には絵を描くことがつらい日もありますし、モチベーションが維持できずに怠けてしまいたいと感じることも、もちろんあるでしょう。何らかの事情で、本当に絵が描けない日ももちろんあります。ですが、どうしても時間的な制約で描くことができない日を除き、描き続けることができれは、間違いなくデッサン力は上がっていくのです。
それではなぜ、描けば描くほど絵は上手くなっていくのでしょう。まず、たくさん描くことで、目と手両方を鍛えることができます。ただし実感としては、逆に感じられてしまうこともあります。つまり描けば描くほど、上手くいかないと感じてしまうという事です。なぜそうなるのかというと、上手くなるに従って理想も高くなっていき、見る目が養われていく分、理想の絵と、現在の自分が持つデッサン力の差が良く分かるようになるのです。ですから単純にたくさんの落書きをすればデッサン力が上がっていくというわけではもちろんありません。デッサンを軽視している人の絵では、良く手クセやセンスだけで絵を書き上げる人がいます。これが「悪い絵」というわけではなく、魅力的に見えることももちろんあるのですが、デッサン力の向上を目的としているのであれば、やはり「見ながら描く」という事が重要になってきます。
自分自身にノルマを課して、描き続けて行くというのは、時に苦痛にもなります。ですから毎日「デッサン」でなくともかまいません。時には落書きでもいいのです。好きな映画を見ながらスケッチしたり、画集を広げてまねしてみたりするだけでもいいのです。上手くいかなかったり、満足できなかったりする時でも、それは少しずつあなたのデッサン力が上がっている証拠。諦めずに続けていく事を、自分に課してみて下さい。