右脳と左脳とデッサン力
男性に比べて、女性はデッサン力がない人が多い、こんな話を聞いた事はないでしょうか。また、女性は地図をくるくる回さないと地図を読めない人が多い、こんな話も良く耳にしますね。もちろん男性と女性、全てがこの例に当てはまるわけではありませんが、こうした差は、空間認識力による差と言われています。そしてその差がどうしてできてくるのかというと、右脳と左脳、どちらがより活発に働いているのか、ということになります。絵を描くのが上手いといわれている人は、基本的に右脳で絵を描く人だといわれています。右脳は、右脳は視覚・聴覚・嗅覚・味覚・触覚などの五感を司ります。視覚情報を処理するのは、主にこの右脳ですから、デッサン能力は右脳の働きが重要ということになります。
そして左脳は、論理思考を司ります。左脳が発達している人は、文字を含む記号の認識力が高いということになります。これが時に、デッサン力向上の妨げになることがあります。見たとおりに描くことがデッサンの基本ですが、その、目で見たものが左脳を通して、自分がそうだと思い込んでいる形に変換されてしまうのです。つまり、こう見えるはずだという思い込みが抜けないと、なかなかデッサン力は上がらないということになってしまうのです。ですから、ある日突然、その間違いや勘違い、思い込みに気付いたとき、デッサン力が格段に上がるということもあるのです。
といっても、左脳が全くデッサン力に関係ないというわけでもありません。左脳は論理力、物を認識するために必要な力でもあります。つまり、ぱっと見たものが何なのか、理解するために必要なのは左脳ということになります。クロッキーなどで瞬時に物事を理解するためには、以外と役立っていることになるのです。そして人物デッサンであれば、筋肉の構造や骨の動きなど、目に見えないものを考えるためには論理的に考えたほうが効率的な場合もあります。デッサン力を上げるために、右脳を鍛えようとするよりも、右脳と左脳まんべんなく鍛えて、そして思い込みで物を観察していないか時に自分に問いかけるようにしてみて下さい。