デッサン力の図り方

まずは、自分にどの程度のデッサン力があるのか、それを確認する方法を最初のプログラムとしましょう。現在、自分のデッサン力がどの程度なのか、実は良く分からないという人も多いのではないでしょうか。自分の描いた絵を見て、満足できない人は確かに多いのですが、それではどこがおかしいのかと聞かれるとこれがなかなかわからない、ということも多いようです。なぜなら自分が書いた絵に対しては、どうしても客観的に判断できなくなってしまうことが多いからです。
 一般的に、自分の描いた絵のデッサン狂いを発見する方法には以下のようなものがあります。自分の描いた絵で、デッサンが狂っているのか良く分からない場合には、
・裏から透かしてみる
・絵を鏡に映してみる
・絵をさかさまにしてみる
・絵を横から見てみる
 これらを試してみて下さい。どうでしょう。あなたのデッサンは、どの程度の実力ですか? ですが、デッサンが狂っているとわかっても、上手く修正できないという場合もありますね。通常人間は、利き腕・利き目を持っていますから、目の前にある紙に絵を描く場合、ある程度デッサンが狂ってしまうことが普通です。ですから、修正しようとしてもやはり自分自身の「クセ」がそれを邪魔してしまうのです。そして誰でも、なかなか自分の描いた絵を客観視できないという本能のようなものと合わさって、自分の絵を修正することが難しくなるのです。
 ですから、デッサン力を測る方法のひとつとして、人が描いた絵のデッサンにおかしなところがあるか理解できるか、これを確かめてみましょう。おススメは、漫画雑誌の増刊など、新人漫画家さんが描いた漫画がたくさん乗っている雑誌です。漫画絵というのが引っかかるかも知れませんが、これが、意外と参考になることも多いのです。こうした雑誌には上手い人の絵も、下手な人の絵も一緒に掲載されています。もちろん漫画はデフォルメされた絵ですから、中には10頭身のキャラクターや3頭身のキャラクターなど、少なくともリアルな人体構造とはかけ離れたプロポーションを持ったキャラクターが登場します。ですがそうした点は考えなくてけっこうです。まずは漫画特有の表現は許容して、その他のおかしな点を探してみて下さい。必ず、手の向きがおかしい、左右で足の長さが違う、そもそも右半身と左半身があまりにも非対称であったりすることがあります。そして漫画には背景が必要なのですが、この背景と人物が溶け合っていないこともあります。パースを学んだ人なら分かると思いますが、特殊な背景や設定でもないのに、地面にめり込んでいるキャラクター、宙に浮いているキャラクター、スケール感のおかしな小物や家具、いろいろおかしなものが発見できるはずです。そして、ただ狂っているという感想だけでは終わらせずに、どう修正すればいいのかまで考えてみましょう。見る目を養うこと、というのは、必ずしも正しい絵、優れたデッサンを見るだけでは身に着かないこともあるのです。
 そして最後に、自分よりデッサン力のある人に見てもらう、というのもとても効果的です。自分の絵を人に見せるのが恥ずかしい、という人もいるでしょうが、効果的なアドバイスを貰うことで驚くほど成長する人もいます。
 いつも自分が見ている視点を変えること、そして自分とは違う視点を持つ人の視点を研究してみること、自分とは違う視点から見た、あなたの絵の評価、これらがあなたのデッサン力を上げる第一のステップになります。

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