有名画家のデッサン力

 有名画家として、思い浮かぶ人は誰でしょう。絵を書くことが好きな人であれば、1人や2人、好きな画家はいますよね。その、あなたが思い浮かべた有名画家のデッサン力は、あなたよりも優れているのでしょうか。ダリやゴッホ、ムンクなどなど、有名な絵の中には、見る人によっては落書きにように見えてしまう絵というものがあります。
 では彼らがデッサン力を持っていなかったのかというと、もちろんそんな事はありません。例えばダリは、不思議な絵が有名ではありますが優れたデッサン力を持っていたことでも有名ですし、そもそも彼の抽象絵は、デッサン力がなければ到底生み出せないものであることは明白です。ゴッホも抽象画をみると、デッサン力がなくても描けそうな絵に見えること、正直言ってありますよね。ゴッホはもともと、決してデッサン力があるとは言えない人でしたが、狂気的とも言える情熱を絵画に注ぎ、日に日にデッサン力が上がっていきました。残されている絵を年代別に並べてみると、彼のデッサン力がどんどん上達して行く様子がよく分かります。実際に抽象画を描く人の中には、デッサン力を軽視している人もいますが、抽象画を描く有名画家のデッサン力はかなり優れている、もしくは重要視している人が多いのです。
 抽象画に限らず、魅力のある絵と、上手い絵というものは全くの別物であるコトも多いというのは、絵を描く人なら誰でも感じていることだと思います。デッサン力は、努力を続けていれば必ず上達して行くものです。ですが誰もが、魅力のある絵を描ける訳ではありません。これは努力だけでは手に入らない、センスや感覚も関係してきます。デッサン力が絵の基礎になることは間違いありません。ですが、あなたの絵を描く目的が、リアルな絵を描くことではなく魅力的な絵を描くということなのであれば、デッサン力を上げることだけでなく自分が表現したいものは何なのか、考えながら進んでいくべきではないでしょうか。

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